お散歩スナップは楽し




昨日しばらく会っていなかった友人と散歩をした。
彼は決して一カ所にとどまらないジプシーのような男なのだが、国籍は日本人だ。(僕は少し疑っている)
多趣味、多才な男で、彼がギターを弾くと、男の僕でも惚れてしまいそうになる。
そんな彼がいま写真にハマっている。
2ヶ月半、帰国していたのだが日本で彼が撮った写真を見ると、写真が楽しくて、楽しくて仕方がない、という気持ちが十分に伝わってくる。

僕もそうなのだが、海外に長く住むと、帰国した時日本を見る目が外国人の目になる。
いや、いや、青い目になるという話ではない。へろぉ〜う、はうずごぉ〜いん?
日本に住んでいたときは当たり前の光景、人々、文化、全てがとても新鮮なものとして目に映るのだ。
海外のフォトグラファーが撮った日本の国技相撲の写真を見ると、目からウロコが落ちることが度々ある。
げ、げっ、相撲をこう撮るかぁ、、、とその新鮮な視線に驚く。
逆に日本人の僕がタスマニアのような海外に住んでいると、最初の数ヶ月は海外のフォトグラファーが相撲の写真を撮るような視線でタスマニアを切り取るのだが、5年もすむと、悲しいかな目にするもの全てが当たり前になる。

僕がスナップショットを大切にするのは、それが錆び付きはじめたアンテナのメンテナンスにうってつけだからだ。
撮る対象は何でもいい。
限られた場所、限られた時間、限られた光りで自分がどれだけキラリと光るものを見つけられるのか挑戦する道場なのだ。

サマータイムになり、夏が近づきつつある昨日のタスマニアはぽかぽか陽気。
友人の住むバッテリーポイントからサラマンカのカフェまでスナップショットを撮りながら、写真の講釈つき散歩を彼と楽しんだ。
もちろん僕が講釈たれ夫だ。


以下、僕の講釈だ。




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散歩スナップの時こそ、自分の苦手な被写体にレンズを向ける。
練習なのだからあれこれと試行錯誤してみる。
時間をかけても誰からも文句は言われない。
仕事の写真はあれこれと考える時間がないので、こういう機会にじっくりとファインダーから被写体を観察する。
僕の場合、やればやるほど結果は悪くなる。(涙)




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反射するものに気を配る。
撮りたいもの直球で攻めず、多重露光のように反射を利用して撮るのが好きだ。
フォトショップのレイヤーを使えばいいじゃん、という声が聞こえそうだが、その場にあるものを利用し、その場で勝負するのが写真なのだ。(講釈たれ夫なので口調がちょっと強気)




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ラインに敏感な人がいる。
友人のギャビーがそうだ。
彼女はラインと影を見るとほとんど生理的に反応し、フレームに収める。
彼女はマーキュリーというタスマニアの新聞で毎週不動産の紹介をしている。
テキストと写真の両方を一人でこなしているが、ライン・ウーマンだけに建物、室内の雰囲気をラインを使い、いつも美しくまとめる。
実はこれ、僕がもっとも苦手な分野。
散歩スナップの時は、そういうことも意識して写真を撮ってみる。
でも、やっぱりいまいちだ。(ちょっと弱気な講釈たれ夫)




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そして影。
写真と言えば、光りと影。
影のある男だと言われたことがあるが、影を写真に収めるのは、ちょっと苦手。




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そしてやはり、人に目がいってしまう。
このお互いの腰に手を回す女性二人、双子か?と思うほど同じオーラが漂う魅力的な女性だった。
影に手こずっていたおかげで、彼女たちを撮るチャンスを逃してしまった。
頭から電柱が出ている、典型的なダメ写真だけど、それでも好きなものは好きだ!と言い張る講釈たれ夫。




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こういう写真はすぐにフォトショップしたくなる。
何枚かの写真を見せる場合、全ての写真に統一感を持たせないと写真が死んでしまう。
この写真、一枚だけで使えばいい感じだと思うが、今日の一連の写真に混ぜてしまうと不自然さだけが印象に残ってしまう。
講釈たれ夫は失敗例にも講釈たれる。




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僕はこういうシーンがとても好きだ。
頭の中で勝手に物語が始まるのだ。
人の行動をよくよく観察すると、面白いシーンがたくさんある。
この人、人生の悲しみに耐えきれず木陰で涙を流しているかもしれない。
いや、もしかすると木と会話できる秘密の能力を発揮しているのかもしれないし、ただたんに鼻をほじくっているだけかもしれない。




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講釈たれ夫、いつものように訳の分からないことをごちゃごちゃ言っているが、ぽかぽか陽気のこんな昼下がりは、難しいことは考えず、このおばあちゃんのように庭の片隅で爆睡するのがきっと一番いいに違いない。




それにしても、お散歩スナップは楽しいなぁ。








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by somashiona | 2007-10-23 17:12 | デジタル

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