フォーテスキューベイ#最終回 --- 風景写真反省会







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これが最後だから許してちょーだい、フォーテスキューベイ。




最終回は部活動の遠征が終わった部員のように反省会でしめたいと思う。




良い写真をたくさん見て自分の目を肥やす事はとても重要だが、ヘタな写真であっても自分の撮った写真から目を逸らしてはいけない。
オーストラリア人ならきっと自分の写真のよい部分を見つけ、たくさん自分を褒め、長所をさらに伸ばすのだろうけど、僕が自分の写真を見るときは、やはり日本人らしく、自分の欠点を探す。
物事を否定的に捕らえて、本質に近づく方法を選んでしまうのだ。

よぉ〜く、じっくりと自分の撮った一連の写真を見て何が欠けているかを探すのだ。
たくさんありすぎるからといって、それを全部言ってしまうと次ぎからもうやる気がしなくなるので、ひとつだけに絞る。
一枚の写真から、さらに見えないその先へと想像が膨らむような空間に欠けているというのが、今回の僕の感想だ。
自分のアンテナに触れたものを構図の真ん中に置き、シャッターを切ってしまう。
これは僕の好きな28mm〜85mmを使ってポートレイトを撮るときのパターンと同じなのだ。
全ての絵がポートレイト調だと、それが10点あろうが20点あろうが、とても単調な印象になってしまう。
実際、自分の撮った一連の写真を見ると、なんだかどれも窮屈だ。
せっかく広々とした美しい空間に身を置いていたにもかかわらず、自由な広がりを感じられないのだ。

タスマニアに来て風景写真を撮るようになってから僕の撮るポートレイトが少しだけ変ってきた気がしている。
その人を取り巻く環境をいかに構図に入れるかを以前より考えるようになった。
ポートレイトで使うレンズもだんだんと広角系になり、f値も大きくなってきている。
もちろん、絞るとたくさんの情報量が構図の中に入り、伝えたいメッセージのインパクトがなくなるのだが、その情報をインパクトに変える努力をするのだ。
女の子、200mm、f2.8みたいなパターンを繰り返してはいけない。

これが風景となるとポートレイト以上に周りの情報が大切になるはずだが、あまりにも色々なものに目移りしすぎて周りの情報を取り入れる勇気がなくなるのだ。
周りの情報を取り入れる事と、空間を活かす事は話が違う。
ポートレイトは周りの情報を取り込むことによって人物像に命を吹き込む。
しかし風景は情報ではなく、周りの空間を効果的に取り込む事によって、主題を取り巻く空間を見るものに想像させる必要があるのだと思う。
これが出来ないのは訓練が足りないだけではなく、1を見て100を感じる想像力に欠けるからなのかもしれない。
夢想家、もっと白昼夢をたくさん見なければいけない。

これはちょっと言い訳がましいが、写真の中の空間を上手く取り入れられない理由のひとつに11 x 14 以上の大きさのプリントをしなくなったことがあるのではないかという気がする。
デジカメを使うようになってからモニターで絵を確認する癖がついた。
最近ではモニターが大きくなってきたとはいえ、あれで自分の撮った写真を見るとき、主要被写体がハッキリと見えないととても心もとない写真に感じてしまう。しかしあのモニターで主要被写体がハッキリ見えるということは、11 x 14以上のプリントを作った時主要被写体が目障りなほど大きすぎてしまう可能性がある。その辺のバランス感覚がどうもデジカメになってから失われてきた気がしてならないのだ。
写真はやはりプリントを見るべきだし、大きく素晴らしいプリントを見る機会を増やさないと、写真の持つ力強ささえ忘れてしまう。
10年前、自分の写真をモニターで見る時間がどれくらいあっただろう?
ライトテーブルの上に置いたカットをルーペで見て、印刷された雑誌で見て、引き延ばしたプリントで見る。
うぅ〜ん、今ではとても懐かしい。






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反省会と言えば、このキャンプで子供たちと木の伐採に付いて話し合った。
キャンプ場へ向かう森の中の砂利道を走っていると主要道路から逸れる道を何度となく見る。
好奇心でその道を入っていけば戦場の後のような森が伐採された光景が目の前に延々と広がる。
僕が写真に撮ったのはきっと植林地の伐採の後だろう。
それにしてもこの美しい自然の人目につかないほんのすぐ近くで毎日、毎日木が切り倒されていることを思うと、胸が痛くなる。
自然の中で果てていった木はその後でも美しいが、伐採され、焼き払われた後の木は何とも悲しい。
人間はいつだって自然から多くのものをもらうのに、どうしてその自然に対して惨い仕打ちをするのだろう。
僕たちの子供の世代は、早い時期からこういう問題に触れ、彼らが大人になった時、それを自分たちの知恵と努力で解決できる人間になって欲しい。








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by somashiona | 2007-11-30 20:47 | デジタル

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