KEEP OUT! (近づくな!)
タスマニアの夏、北部は特に牧歌的な風景が多い。
広い大地に咲き誇る花畑などを見ると、思わず生まれ故郷の北海道の景色が目に浮かび、少しだけだが、気分はノスタルジック。
(クスン、、、)
口ずさむ歌も ♬果てしない〜 大空と〜 広い大地のその中でぇ〜♪といつのまにか松山千春になっている。
大学時代はこういう風景の中をバイクで走り、悦に浸っていたんだよなぁ〜。
気分はいつだって片岡義男の小説に出てくるいい男そのものだった。
もちろん気分の話しだ。
だが、「ちょっと待てよ、、、」と一人つぶやき、咲き誇る花を凝視する。
あれっ、これって、、、ポピー、、、ケシの花、、、。
♪丘のうえ〜 ヒナゲシの花がぁ〜♪
歌は松山千春からアグネス・チャンに変っていた。
声は裏返っている。
オーストラリアにおいてはタスマニア州が唯一ケシの合法的栽培を認められている。
認められているといっても、僕が栽培するとすぐに刑務所送りだ。
以前庭で煙草を吸いながら寛いでいる友人を写真に写そうとすると、彼は突然血相を変えて僕に言った。
「ダメだよっ!ここで写さないで!」
彼の後ろにはケシの花が咲き誇っていた。
タスマニア・アルカロイズやグラクソスミスクライン・オーストラリアなどといった会社が超厳重な監視体勢のもとでこのケシの栽培を農家に委託し、モルヒネ(ヘロインでもある)の原料などに加工・製造してから、そのほとんどを欧米へと輸出するのだ。
アップルアイランドと呼ばれるほどリンゴなどの果樹園が中心だったタスマニアの農家も生き残りをかけて変化を遂げている。
蚊取り線香や虫除けスプレーなどに使われる除虫菊の栽培も盛んらしい。
ケシの花だと気づくと、誰にも僕の姿を見られていないかと、
思わず辺りを見回した。(気が弱い)
そうするとすぐそこに、思いっきり看板が立っていた。
「KEEP OUT」(近づくな!)
「立ち入り禁止区域。不法に使用した場合、死を招く恐れがある」
うへぇ〜、恐ぁ〜。
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by somashiona | 2008-01-24 15:27 | デジタル