カテゴリ:仕事( 78 )

ソトコト11月号を読もう!





日本を代表するエコマガジン、ソトコト11月号「生物の多様性入門」にトラベル・ジャーナリストの寺田直子さんと西オーストラリアで取材した記事が掲載されている。
さあ、みんな、本屋に行って僕より先に記事を読もう!

詳しい内容は直子さんのブログ、ハッピー・トラベルデイズで紹介されてるので、今すぐチェック!



この取材での被写体はランドスケープや動物がメインだった。
直子さんが10年間温め続けたネタ、彼女のテキストに花をそえるような写真が撮れるよう動き回った。
熱さで頭がクラクラしそうな西オーストラリア、車で走った距離は約2000km。
ほとんどの時間をシャークベイという世界遺産エリアで過ごした。
イルカと戯れることが出来るモンキーマイアはこのエリアの人気スポットだ。

今回も素晴らしい人たちに出会い、素晴らしい話を聞き、地球の素晴らしさを再確認した。

取材からのこぼれ話「オン アサイメント」はいずれまたブログに書きたいと思う。



実はソトコトは今回が初デヴューではなく、今年の9月号で5ページの仕事をさせてもらった。
これはすべてタスマニアでの取材だった。
この話もいずれ「オン アサイメント」ですることにしよう。



このブログ、ネタはたくさん、たくさんあるのだが、あれよ、あれよと言う間にそんなネタのことなど忘れ去り時が過ぎていく。

自分の言いたいことをほとんど何でも言えるこんなメディアを持ちながら、言いたいことの5%くらいしか表現できていないのは、これもひとえに自分のキャパの少なさが原因だと反省する。
もっと時間を上手く使える人間になりたいと切に思う今日この頃である。










野生動物の決定的な瞬間を撮るため、カンガルーの毛皮を羽織って毎日草むらの中に這いつくばって望遠レンズを構えていた。








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あ、ごめんなさい、この動物たちは全て剥製です。
コンサベーション内に展示していたものを撮りました。(汗)
雑誌に出てくる動物たちは本物です!
動物の写真は難しい、、、。








水の中では危うく巨大なサメに足を食いちぎられそうになった。








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と思ったら、それはかわいいイルカでした。








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撮っても、撮っても納得いかず、自分の運転する車の影を撮っていたこともあった。(かなりテンパっていた日)








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限られた取材日数の中、早朝からとにかく撮りまくる。
日が沈むこの瞬間、その日の戦いは終わる。
いい写真が撮れれば、美味しく夕食が食べられる。
















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by somashiona | 2009-10-06 06:39 | 仕事

アクンデックのファミリーポートレイト







現在、オーストラリアの人口は50%が新生児、そして残りの50%は他の国からやって来る移民でまかなわれている。
とくに戦争などで難民となった人たちをオーストラリアは積極的に受け入れている。
鳩山総理が外国人にも参政権を与えるべきだと言い日本では非難の嵐だったようだが、ここオーストラリアでは他の国から文化も習慣も違う人たちを受け入れ、職場や政治に参加することをほとんどの国民たちは賛成し、誇りに思っている。
オーストラリアに移民してくる人たち、特に戦乱の中から逃げてくる人たちはアルファベッドのABCすら知らない人たちが大勢いる。
彼らがアルファベッドを覚え、英語でコミュニケーションをとり、過去にイヤになるほど見たナイフや斧、そして機関銃の代わりに教育という最も強烈な武器を身につけ社会に出るまでの間、国民の税金で彼らは生きていく。
国民一人一人が彼らを養っているのだ。








アクンデックは19歳。
13歳の時にアフリカのスーダンからやって来た。

「スーダンの北、それとも南出身?」

「ごめんなさい、どこで生まれたのか知らないの、、、」

「どうしてオーストラリアに来ることになったの?」

「ごめんなさい、私何も知らないの、、、スーダンからエジプトに逃げて、、、でも、お父さん、お母さんたちはスーダンに残っている兄弟たちを迎えにまたスーダンに戻って、、、で、私や弟はエジプトでとてもハッピーだったのに飛行機に乗せられて言葉も気候もまったく違うタスマニアに来たの。いきさつとかは何も分からないの」

こういう人たちを前にすると、何を聞いていいのか分からなくなる。
その過去がどれほど暗闇なのか、どんな楽しいひとときがあったのか、愛する人たちの死をどれほど目の当たりにし、どれほど引き裂かれてきたのか。
父の死や、離婚や、子供たちと離ればなれで暮らすことにシクシクしている僕の想像を絶する経験を彼らはしているのだ。
僕の話すことなど彼らにとっては何不自由なく育ってきたお坊ちゃんの戯言だろう。

アクンデックには2歳になる男の子がいる。
旦那さんは27歳、タスマニアの電力会社で働くエンジニアだ。

「旦那さんの趣味は何?」

「お勉強なの」と言って彼女はクスッと笑う。

「彼ってつまんないの。映画にいこうって言っても、ダンスに誘っても、たぶん明日ね、って言うんだけど絶対行かないのよ。いつでも勉強、勉強。今もね、仕事が終わったら大学に行ってるの。もっともっと知識を身につけたいんだって」と話す彼女は誇らしげだ。

「彼はね、スーダンで全て見てしまったの。人がどんなにひどいことをするのか、食べ物がなくて飢え死にすることがどんなに悲しいか、四六時中怯えていることがどんなに辛いかを。だから今、一所懸命勉強するんだって。あんな生活に2度と戻りたくないんだって。最低の暮らしに戻るのが怖くて、怖くてしかたないんだって。そして、いつかスーダンに帰って自分が得た知識を使って人びとを助けたいんだって」と話す彼女、眼を輝かせている。

「じゃあ、彼と一緒なら安心だね」と僕。

「そうよ、彼は真面目だから安心なのよ。他の女性に見向きもしないわ」と言って笑い出す。

「でも、スーダンに帰ったら一夫多妻制だろ?何人まで奥さんを持てるの?」と僕は少し意地悪をする。

「10人でも、20人でも好きなだけ持てるけど、嫌よ私、そんなの絶対イヤ!私の肌は黒いけど、考え方はオージーガールよ!」と今度は真顔。

「じゃあ、君の夢は何?」

「まずはね、介護の資格を取って老人たちの世話をするの。それでお金を貯めて大学に行ってから看護婦の資格を取る。絶対に取るの。しばらくオーストラリアの病院で働いて、いつかスーダンに帰って病気で苦しむ人を助けるわ。それが私の夢よ」








アクンデックのカレッジ卒業パーティの日、僕の家でファミリーポートレイトを撮った。

フラッシュの光が瞬くたび、2歳の坊やは泣き叫び、大雨だったこの日、天井から雨漏りがはじまり、持ち時間のほとんどを坊やの機嫌を取ることと、バックドロップに落ちる雨漏りの対応に費やし、撮影の集中力を欠いたが、この一枚が彼らの輝く将来の想い出になるよう、最善を尽くした。

















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by somashiona | 2009-09-28 19:06 | 仕事

夏の思い出、阿波の記憶 最終回






阿波と言えば、阿波おどり。
はじめて体験した。
阿波に住む人たちの遺伝子に阿波おどりは組み込まれている。
それをgreenさんの子供たちを見ていて強く感じた。
家の中でも、道路でも、河原でも、公園でも、子供たちはいつでも阿波おどりを踊っていた。
ちゃらちゃらと踊るのではない。
唇をしっかりと閉じ、視線は見えない他の踊り子たちに注ぎ、気合いを入れて踊るのだ。
阿波おどりの日が近づくにつれて、子供たちの胸が高鳴っていくのを感じる。
その高鳴りは一緒に過ごした僕にももの凄い勢いで感染し、おかげで予想以上の期待感とともに、阿波おどりの日を心待ちすることが出来た。

阿波踊り会館での観光客用の催し物で、見物している人たちに阿波踊りを踊ってもらい、上手く踊れた人に賞をあげる、というのがあった。
日頃の練習の成果を見せるべく、子供たちも踊りの輪に加わった。
一所懸命踊ったのに子供たちは賞をもらえず、お姉ちゃんは悔しさのあまり肩を震わせ泣いた。
デパートの食品売り場でアイスクリームを食べるまで泣いた。
このとき、この子たちはハンパじゃなく真剣なんだ、と思った。

ついに阿波おどりの日が来る。
徳島市が踊り手たちで溢れていると言っても大袈裟ではない。
何処もかしこも本当に踊り手だらけ。
見物人より踊り手の方が多いのでは?と思うくらいだ。

黙って立っているだけでも暑い日なのに街全体が熱狂する。
カメラを持って踊り手たちをしとめようとする僕も滝のような汗を流した。
ポカリスウェットがここで生まれたのも頷ける。

踊りをファインダーから見ていて、写真を撮るより自分も一緒に踊りたい、と思ったのはこの阿波おどりがはじめてだ。

「踊る阿呆に見る阿呆、おなじ阿呆なら踊らにゃそん、そん」

まったく同感だ。





夏の思い出、阿波の記憶の最終回はこの阿波おどりで締めたいと思う。
四国で撮った写真はまだまだ嫌になっちゃうくらいあるのだが、それらはまた別の機会にポツリ、ポツリと出すことにしよう。
ひょっとすると以前ブログにアップした写真もあるかもしれないが、今回は阿波おどりの写真を怒濤の勢いで、そして、もうやめてくれぇ〜と言われそうな枚数でアップしたいと思う。(86枚、最高新記録)


最後に、
greenさん、素晴らしい時間を本当にありがとう!

















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by somashiona | 2009-09-14 20:57 | 仕事

夏の思い出、阿波の記憶 #3









阿波では色々な人に出会ってたくさん感動をもらったが、一番インパクトがあったのはgreenさんのご両親だった。
お母さんは会ったその瞬間から僕に質問のマシンガンを浴びせ、10分後には僕の生い立ちから今の経済状況までだいたい把握していたと思う。
鋭い観察力と洞察力を備え、人生の荒波をくぐり抜けてきた貫禄がある。
お父さんは盆栽の職人さんだ。
盆栽を作るということは、1年365日しっかりそばにいてお世話をしてあげるということらしい。
その日の天候、枝葉の小さな変化を敏感に察し、水の量をコントロールし、丁寧に丁寧に育てる。
夕方、仕事が一段落すると釣り竿をもって吉野川に出かけ、鮎を釣る。
盆と正月以外この神聖な行為を欠かさないと言っていた。


僕がいつも恐れていることは同じ毎日を繰り返すこと。
仕事も、住む土地も、付き合う人たちも、同じことが繰り返されると感じた途端に息が出来なくなる。
そうやって僕は今まで転がり続けてきたし、たぶんこれからも見えない明日に向かって転がると思う。
それが僕の生き方で価値観だ。


けれども、greenさんのお父さん、お母さんに出会い、透明度100%の笑顔、仕事に打ち込む時の真剣な眼差し、鮎を食べる時の満足げな顔、盆栽の話をする時の確信のある顔を見て、僕は自分の価値観が揺らいだ。
お父さんに「どうしてそんなに幸せそうなんですか?」と思わず聞いてしまった。

「朝起きるだろ、一服して、美味い飯食って、コーヒーを飲むんだ。そしてまた一服して、それから盆栽やるわけよ。昼飯食って、コーヒー飲んで、一服して、また盆栽やるだろ、そしたら犬連れて散歩して、鮎釣りに行くんだ。家も土地も川も盆栽も母ちゃんも、何から何まで俺がよぉ〜く知っているものに囲まれて、よぉ〜く知っていることをいつものようにやるんだ。心の中には不安の欠片もないし、飯もタバコもコーヒーも美味いし、不幸せになれるわけないよなぁ」

「達観」というのはこのお父さんとお母さんのためにあるような言葉だ。
今更自分の人生を否定することはできないが、違う生き方の成功例を見るとなんだか羨ましくなる。
何処に住もうが、何で飯を食おうが、転がろうが転がるまいが、そんなことに関係なく、自分の行動に誇りを持って生きている人は、どこか揺るぎない強さと人を包み込む優しさがある。
その人が生きる空間、その人がいつも身に着けているもの、五右衛門風呂や歯ブラシ、飼い犬さえもが胸を張ってそこに存在している気さえする。
ロスやニューヨーク、シドニー、東京で住む人たちより、メキシコの田舎、ドバイのお店のおじさん、僕の住むタスマニアの農夫たちと話をしている時の方がそういう自分を信じて生きている人が持つ独特の強さと優しさを感じることが多い。
これは一体どういうことなんだろう?


僕は残念ながら、そういう強さや優しさを持ち合わせていないが、転がり続けることによって自分の価値観の外にいる人たちから学ぶチャンスは比較的多く持ち合わせている。
たぶんそのチャンスを生かして出来るだけ多くのそういう人たちと出会い、写真に収め、それをまた僕以外の誰かに伝えることが役立たずの自分が負っている役目のような気がする。

















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by somashiona | 2009-09-08 22:21 | 仕事

夏の思い出、阿波の記憶 #2



訪れた土地を知りたければそこに住む人びとを観察するといい。
阿波では人々の顔を見るたび言葉では言い表わせない安堵感に包まれる。
僕の前を通り過ぎる顔が高校の同級生ケンボーだったり、おばあちゃんの家の近くに住んでいた常幸おじさんだったり、子供の頃に通った駄菓子屋のおばちゃんだったりするからだ。
阿波には僕が子供の頃接した人たち、つまり今の日本ではなかなかお目にかかれない人たちがたくさんいる。
もちろん誰も彼も同じタイプの人だといっている訳ではない。
三角、四角、台形、菱形、かたちはそれぞれ違うけれど、なぜかみな角が丸いのだ。
昔マレーシアを旅したとき子供の頃に感じた、あの手放しの安堵感を味わったことがある。
その時と同じ安堵感を僕は阿波で感じた。
以前にもブログで書いたことがあるが、お年寄りが幸せそうな街はいい街だと思っている。
阿波ではお年寄りだけでなく、子供もヤンキーもデパートの食品売り場のお姉さんもお巡りさんも、みんな幸せに見えた。














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写真が多くてごめんよ〜。
絞りきれなかった〜。
まだまだたくさんあるんだけど、ど〜しよ〜!
















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by somashiona | 2009-09-02 21:08 | 仕事

夏の思い出、阿波の記憶 #1




8月が終わってしまった。
毎日毎日冷たい雨が降り続き、四六時中寒さに震えた8月。
誰も彼もカゼやインフルエンザで体調が悪く、流行に敏感な僕もいつまでも取れない咳や頭痛、喉の痛みで家に引きこもりがちだった。
南半球の8月は真冬だが、それでも「8月」という言葉の響きは僕にとって、きらめく太陽が深く茂った緑の木々の下に濃い影をつくり、肌は汗でベタつくのに、何か楽しいことが起こりそうな予感で胸が高鳴る夏の日の象徴だ。

昨年の8月、そんな日本の夏を阿波で堪能した。
ブログをはじめた当初から僕を応援してくれていたgreenさんからの撮影依頼で阿波に約2週間滞在したのだ。
流木を扱う「阿波遊木」のウェブサイトで使うスライドショーの写真を撮るのが僕の仕事だった。
プロダクトショットの方はマッシュボスの伏見さんがすでに素晴らしい写真を撮られているので、僕は伏見さんと違うタイプの写真でこのウェブサイトに貢献しなければならない。
普通仕事の写真では「こんな写真を撮って欲しい」という依頼主のイメージがハッキリとしているので、フォトグラファーはその要求に応えるべくひたすら頑張る。
その要求が自分のテイストとかけ離れている時は少しストレスを感じ、「好きなように撮らせてくれればもっといい写真が出来るのに、、、」と心の中で呟く。
阿波遊木さんからの依頼内容は「マナブさんの好きなように撮ってください。おまかせします」だった。
これはフォトグラファーにとって夢のような話であるが、実際それが起こってしまうと普段の仕事以上にプレッシャーを感じるという現実を知ってしまった。
地図のない旅、ゴールがどこにあるのか分からないレースはがむしゃらに走り続けるしかない。
「写真を見て失望することはないという確信があって仕事を依頼しているのです」という言葉をお守りに、阿波という土地を、阿波の夏を身体一杯に感じ、それを写真で表現することに努めた。

海外に住む僕にとって四国は最後の日本だ。
日本の夏は四国の夏、そんな妄想を抱いていたが、それは外れていなかった。
あれから一年経った今、阿波で過ごした夏は記憶というよりも皮膚の中に残っている。
汗がゆっくりと首筋をつたい、お腹に向かって流れるあの感覚、それがあの夏の記憶だ。
寒いタスマニアで長い間閉じていた汗腺がまるで一気に開いたようだった。

僕が阿波で見たものはまぶたの裏に残像として残っている。
夏の明るい太陽を直視した後、目を強く閉じ、まぶたの中でフワフワと浮かぶ白い球体のように、あの夏の入道雲、どこへ行っても逃れられない田んぼの海、少しでも気を抜くと谷から転落してしまいそうな細い山道、そしてポカリスウェットの自動販売機のブルーの色がまぶたを強く閉じるたびに黒い闇の中にフワフワと浮かぶ。

閉館間近のほとんど人のいない2メートルのプールの中で息を止め浮かんでいると、誰かが水を掻く音や気泡がはじける音、そしてカランカランと水道管が立てるような音が微かに響き、そして突然、あの夏阿波で聞いた蝉の泣き声、阿波おどりの音楽が聞こえることがある。
すると僕はとても幸せな気持ちになり、水の中で息を止めていることを忘れ、僕を押し包む水の圧力を全身に感じ、フワフワと浮かびながら、いつもでもあの夏の音を聞いていたい気持ちになる。

あの夏、阿波を感じようと必死にシャッターを切っていた時間、僕は子宮の中の羊水に浮かんでいたのかもしれない。
僕が見た夏の光はお腹の皮膚を通して見たオレンジ色の光だったのかもしれない。

















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by somashiona | 2009-09-01 21:46 | 仕事

ライトルーム アドベンチャー 2008 イン タスマニア 最終回



イベント最終日の13日は参加者全員がホバートに戻り、写真のオークションに出席しなければならない。
しかし、早朝ならまだ撮影のチャンスが残っている。
この日、相原氏は「クレイドルマウンテンの撮影の穴場にご招待しましょう」とブルース氏とマキ女史に声をかけていた。
早朝の撮影、もちろん日の出前の起床だ。
凍える寒さの中、真っ暗闇のボタングラスの湿原を光のハンター3人は三脚を抱え、黙々と歩いた。
空が青色から紫、そしてオレンジへと刻一刻と変化する。
美しい光に湿原が覆われると、誰かが号令をかけるわけでもなく、皆が一斉に撮影を始めた。
美しいクレイドルマウンテンの風景にレンズを向ける彼らの影はまるでフィルムの早回しのように目に見えて角度を変えてゆく。
三人のトップフォトグラファーが同じ場所で時間と追いかけっこをしているが、レンズを向ける方向は不思議と三者三様だ。
自然美という舞台で三人はまったく違う踊りを繰り広げる。
その個性こそ、世界を舞台に戦う最高の武器なのだろう。
朝の時間はあっという間に過ぎてしまった。








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今回のアドビシステム ライトルームアドベンチャーは多くのスポンサーが協力してくれた。タスマニア観光局も大きなスポンサーのひとつ。
今回、最高の撮影フィールドを提供してくれたタスマニアに対して何かの形で恩返しを、と考えたアドビシステム ライトルームアドベンチャーは、参加したフォトグラファーの写真をオークションにかけ、その売り上げ全額を正体不明の病気で絶滅が危惧されるタスマニアデビル保護の為の基金に寄付することにした。

午後7時、観光大臣の挨拶ではじまったこのチャリティーオークションにはとてもたくさんの人たちが集まった。
世界トップクラスの写真家の作品を手に入れようと、皆目を輝かせていた。
各フォトグラファーはお気に入りの写真を10点から15点エプソンのA3+サイズのペーパーにプリントアウトし、それをオークションへ提供した。
最低落札価格は5ドルからはじまる。
どの作品に人気が集まるか、一目瞭然だ。
これは多くの写真家にとっても新鮮な経験だったらしく、ある意味緊張した面持ちでオークションの成り行きを見守っていたフォトグラファーも少なくない。
写真をやっていない一般の人たちが写真を見る目は、ある意味厳しい。
クオリティがどうのこうの、レンズがどうのこうのというふうには作品を見ないからだ。
そこに何が写っているか、それがすべてだ。
綺麗か、笑えるか、インパクトがあるか、印象的か、そういう単純で純粋な要素が人々の判断基準であり、それはまぎれもなく良い写真の大切な要素なのだ。

オークションが終わった後、タスマニアを舞台に寝る間も惜しんで戦った戦士たちはリラックスしきって杯を交わしていた。
オークションの売り上げは8000ドル(オーストラリアドル)、誰もがハッピーな夜だった。

アドビシステム・ライトルーム・アドベンチャー、次はどの国を舞台に、どんな顔ぶれのフォトグラファーが集められるのか?

写真は世界の言語だ。
次回も日本から素晴らしいフォトグラファーが参加し、世界のフォトグラファーたちの高い技術やモチベーションを大いに学んで欲しい。
外の空気は予想以上に張りつめたもので、心も身体もリフレッシュされるはずだ。









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おわり









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取材を終えた直後に書いたものを久しぶりに読み返すと、自分がどんなにラッキーだったかを痛感する。
写真を愛する人たちの誰もが、もっといい写真を撮れるようになりたい、といつだって願っているはずだ。
写真に王道はないだろう。
どんなことでもそうだろうが、写真もたくさんの経験、知識、失敗、情熱、こだわりを要求される分野だ。
写真に王道はないかもしれないが、世界をフィールドに走り続け、素晴らしい作品を発表するフォトグラファーたちからはいつも同じ種類のオーラを感じる。
それは決して写真のテクニック本や写真教室が教えてくれる種類のものではない。
それは一口では言い表わせないものであり、それを見たからといって次の日から自分もマネできるというタイプのものでない。
この取材で僕が得たことは、実はなかなか人に上手く伝えられないものなのだけど、きっと写真に夢中なあなたはなんとなく僕が言わんとすることを感じて頂けたと思う。
これは、僕にとって本当に「とっておきの話」(くどい)で、それをブログで話してしまう心の広さには、まったく自分でも泣けてしまう。

(ピシっ!バシッ!、、、ごめんなさい、言い過ぎでした)


いい機材でなければ撮れない写真や、撮れない分野というのは確かにある。
でも、その前に、滝に打たれ修行をする必要はないにしても、自分が撮ろうとするテーマや被写体に対して真剣に向かっていく態度みたいなものは、やはりきちんと考えてみるべきだと思う。
テクニックを越えて写真に写ってしまうものは、結局は、その辺のことなのだという気がするからだ。

6回にわたる今回のシリーズ、最後まで付き合ってくれてありがとう。
いつも誰かに話したい、話したいと思っていたことをブログで発表できて、かなりスッキリしました。
(トイレのあの後の気持ち?)

















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by somashiona | 2009-08-09 22:30 | 仕事

ライトルーム アドベンチャー 2008 イン タスマニア Vol.5





一日ブルース氏と時間を共に過ごしただけで、実に多くのことを学んだ。
僕はスポーツ雑誌で仕事をしていたフォトグラファーなので両目を開けながら写真を撮るクセがある。
ブルース氏はそんな僕を見て片目を閉じるべきだとアドバイスしてくれた。

「片目を閉じることによってファインダーから見える世界を限りなく一次元の世界に近づけるんだ。開けている方の目も薄目を開ける形にし、まつげの隙間から被写体を見ることによってコントラスト、光の濃淡を見極めるのだよ。レンズの目になるということだ。出来上がるプリントのイメージで被写体を見るのだ。」

アンリ・カルティエ・ブレッソンに憧れ、ライカから写真をはじめたと教えてくれた彼はニコンD3に最新のナノコーティングのズームレンズを3本という装備で撮影をしていた。もちろんカメラバックの中には予備のボディーが2台にラジオスレーブを付けたニコンのスピードライトも2台用意してある。
ブルース氏はメカニカル的なことに強いフォトグラファーであり、新しい機材にどんどん挑戦する。
D3がどんなに素晴らしいカメラか、ナノコーティングのレンズがいかにシャープかを語る氏はカメラファンそのものだ。

フィルム時代を長く経験し、デジタル時代に入った今、ブルース氏の写真が変化したかどうかを聞いてみた。

「デジタルの変化は君も知っての通りここ数年目を見張るものがあるね。私たちフォトグラファーにとってデジタルの恩恵は計り知れないものがあるよ。クオリティも充分高いし私はデジタルに充分満足している。ただひとつ忘れてはいけないと思っていることがあるがね。」

「どういうことでしょう?」と僕。

「過去、数々のフォトグラファーが素晴らしい写真をものにしてきた一番の理由は何だと思う?それはズバリ『Anxiety』(心配・不安)だよ。アサイメントを与えられ、あらゆる角度から手を尽くす。これでもか、これでもか、とシャッターを切り、いくつかの手応えを感じる。デジタルならプレヴュー画面を見て手応えのあったショットを確認すればそこで仕事が終わるだろう。フィルムの時代はそれが出来ないから心配で、不安で仕方がないんだ。それでまた何度も、何度もシャッターを切る。じつはその後で切ったシャッターの中に後世に語り継がれる写真が生まれることが多いのだよ。いい写真を生み出す一番の秘訣は、これで終わり、と思わないことなんだ。わかるかい?」








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その夜、ホテルのワークルームではその日ブルース氏が撮った写真がどのようにマックのモニターに現れるのか、僕は楽しみでブルース氏の横に張り付いていた。
雨にぬれたクレイドルマウンテン周辺の自然がモニターに浮かび上がると、僕は思わず唸ってしまった。
ブルース氏がその日どういうカットを撮ったのか楽しみにしているのは僕だけではない。

ブルース氏の肩越しにオーストラリアのフォトグラファーが言った、「素晴らしい写真じゃないか、ブルース。どんなフォトショップの処理をしたんだい?」

ブルース氏は「おい、おい、これはまだRAWファイルだよ」と笑う。

そう、ブルース氏の写真はどれを見ても撮った時点で完成されている。
プロなのだから当たり前、と言いたいところだが実はそうでない。
プロの撮ったカットには捨てる写真もたくさん存在するのが一般的だ。
ブルース氏の写真を見る限り、露出、フォーカス、構図の全てがどの写真も良く、捨ててもいいような写真が見当たらないのだ。
一緒に歩いていて、時折どうしてこんな所にレンズを向けているのだろうか?と思うことが度々あった。
モニターに現れた写真に「こんな所」と思わせる写真など一枚もない。
「こんな所」が「素晴らしい所」として再現されている。
そんな完成された数々の写真の中からベストショットを注意深く選ぶ。
そして選んだカットに対して、かなりの時間をフォトショップに費やす。
プリント段階ではなおさらだ。

「写真はね、結局人間の目のようには写らないのだよ。私はフォトショップで、自分が見た世界を再現しようとしているだけだ。プリントはモニター以上に目で見えたものとの誤差が生じる。だからそれを調整する為にはフォトショップの作業は欠かせないのだよ」

参加したフォトグラファーたちは自分のプリントを終えると、やはりブルース氏に見てもらいたがる。
そしてブルース氏の遠慮深いが実に的を得たアドバイスに皆真剣に耳を傾ける。
写真に対して妥協を許さないブルース氏だが、いい写真を見ると思わず顔がほころぶ。

本当に写真が好きなのだ。








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by somashiona | 2009-08-06 08:47 | 仕事

ライトルーム アドベンチャー 2008 イン タスマニア Vol.4




翌日、約束どおり日の出前に起床し、ホテルのロビーに10分早く向かった。
ブルースさんはすでにそこに来ていた。

クレイドルマウンテンとパソコンに入力し、グーグルで画像を探せばほとんどの場合、ダブ湖から顔を覗かせるクレイドルマウンテンの写真が出てくるはずだ。
まだ薄暗い早朝、ダブ湖に向かう途中の車の中でブルースさんは周りの景色を見ては「おお、なんて美しいんだ」と何度も感嘆の声を上げた。
感動するたびに車をとめ、そのロケーションを覚え書きのように軽くスナップ写真を撮ってはポケットに入ったGPSを取り出し何か入力する。
彼は撮影場所やいいロケーションを見つけると必ずこのGSPに場所を入力し、いつでもその場所をグーグルアースなどの地図で確認できるようにしているという。
今回のイベントでブルース氏は単独行動が多かった。
まるでタスマニアという島を熟知しているかのごとく、この地を自由に動き回っていた。
このことについて尋ねると、彼はこう答えた。

「ナショナルジオグラフィックの仕事はアサイメントを貰うとすぐにその土地や風俗、関連する情報の収集をフォトグラファーが一人で進めなければならない。撮影前に取材する土地の情報をいかに収集できるかが結果を大きく作用するのだよ。そういう習慣が身に付いているので今回タスマニアに来る前に何を写すべきか自分なりの情報収集はすでにすませてある。撮影すべきほとんどの場所はすでにグーグルアース等のサテライトで下見している。今は本当に便利になったよ。私は中国を多く取材しているが、初めて中国に行った時はまだあの国にひとつしかネオンサインというものがない時代だったからね。」

ダブ湖に到着するとあるポイントを指差し、「ほとんどの人たちが多分ここで写真を撮るだろう?」と僕に尋ねた。

「そうです」と答えると彼はそのポイントを素通りし、湖を見下ろす右側のトラックを登りはじめた。

僕は黙って彼について行く。
あるポイントで彼が歩みを止めると、「ここだ」といって三脚を立てはじめた。
もの凄いスピードで辺り一面を切り取っていく。
ひとしきり撮り終えて次のポイントに移動と思いきや、レンズの遥か向こうにそびえる山を見つめたきり動かない。

彼は無言で山を見つめる。

僕もしばらく無言で彼を見つめる。

そして「何を待っているのですか?」と我慢できずに僕は彼に聞いてしまう。

「あの山の稜線上に木が並んでいるのが見えるかい?その横を雲が渦を巻いて流れているのだけど、それがどうしても私の欲しい形になってくれないのだよ」

「でもブルースさん、湖のほとりのボートハウスも撮影したいと言ってましたね。もうそろそろ移動しないと天候が崩れそうですよ」

するとブルース氏は僕を見つめて柔らかく言った。

「いいんだよ。これ以上先に進まなくてもいい。私はここでいいショットが撮れる気がするんだ。いいかい、あそこも撮りたい、ここも撮りたいと忙しく動き回って70点の写真をたくさん持ち帰るより100点満点の一枚を撮ることが大切なんだよ。たとえ一週間に1枚の100点満点写真しか撮れなかったとしても、それをコンスタントに続けると1年でかなりの量の自信作を撮ることになる。そういう写真を撮らないと長く仕事を続けられるフォトグラファーになれないのだよ」

100点満点の写真。

彼に一番聞きたかったこと、それは長く写真に関わっている僕が聞くのも恥ずかしい質問だが、やはり永遠のテーマである「どうすればいい写真が撮れるか?」だ。

僕は思い切ってブルース氏にその質問を投げかけてみた。

彼はしばし考え、それは難しい質問だと言った。

あえて言うのなら、1)計画、2)好奇心、3)掘り出し物を見つける才能ではないだろうか、と答えた。
しかし、いい写真とは何か?その問題が残る。

「自分にとってのいい写真は結局自分にしか判断できないものだ。人の意見によってそれが揺らぐのなら、それはまだ君の写真ではないだろう。自分にとって本当にいい写真とは撮った後に最高に気分が良くなる写真だ。どうしてなのかは説明がつかない、でもシャッターを押した後顔が自然とほころび、最高の気分になる、そういう写真だ。君はそれを感じる時があるだろうし、感じたら素直にそれを認めなくてはならない。それこそが君だけのものだ。君の中から本当に出てきたものだ。それが君にとっていい写真だ。君だってそんな気分になったことが幾度もあるだろう?」

「いい気分か、、、」と呟く僕に、「トイレに入って、大きいほうを終えた後の気分だよ」と言ってブルース氏は笑った。












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by somashiona | 2009-08-04 18:58 | 仕事

ライトルーム アドベンチャー 2008 イン タスマニア Vol.3










この夜、フォトグラファーたちが次々と相原氏の写真展に足を運んだ。
一番熱心に作品を鑑賞し、相原氏に多くの質問を浴びせていたのは伝説のフォトグラファー、ブルース・デイル氏だった。
相原氏も堪能な英語で身振り手振りを加え説明する。
世界で活躍する為に英語力は不可欠だ。
この日、二人の間で同じ電波を発する者同士が分かりあえる友情が芽生えたように思える。








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写真展の会場からワークルームに戻ると各フォトグラファーたちがその日の画像を処理していた。
2台用意されている大型のエプソンプリンタは順番待ちの列が出来ている。
撮影し、データの処理を終え、プリントする。
全てのワークフローがここで行われる。
それぞれのフォトグラファーがもつ画像処理のテクニックを全てここで見ることが出来る。
注意深く選択したカットを最終的に仕上げるまで、各フォトグラファーは僕の予想以上に時間をかけていた。
特にプリント段階のチェックは暗室で納得がいくまで何枚もプリントを行うそれとさほど変わらないほどのこだわりを各フォトグラファーたちは見せていた。
どんな機材でどう撮ろうと、画像処理に時間をかけようがかけまいが、プリントがファイナルワークだからそのクオリティにこだわるのだ。








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タングステンライトやハロゲンライトのもとでのプリントチェックに納得がいかないブルース氏はトイレに駆け込んだ。
お腹の調子が悪くなったわけではない。トイレは、女性が化粧の調子を確認する場所、そこにはたいてい鏡の前に蛍光灯がある。
プリントの調子を確認したいのなら、蛍光灯の光が一番だ。
ブルース氏は相原氏に意見を聞きたいと言った。
トップフォトグラファー二人はこうしてトイレの中に消えた。
ピグメントインクでプリントされたブルース氏のテストプリントのクオリティに相原氏は驚愕した。
完璧なプリント。
しかし、ブルース氏は緑のトーンが嘘くさい、とまだ納得がいかない様子。
こだわり続け仕事をしてきた長年の態度、どんなに疲れていても、今更変わるものではない。

このイベント全ての日程を通して一番早く起き、一番長く撮影をし、一番遅くまでワークルームで働いていたのは一番の年長者で、フォトグラファーとしてのキャリアも一番長いブルース・デイル氏に他ならなかった。
伝説のフォトグラファーの名称はたゆまない努力の賜物だったということをしっかりと僕はこの目で見た。

翌日、僕はこの伝説のフォトグラファーと一日を共にする約束を取り付けることが出来た。
彼から何を学べるのか、子供のように浮き浮きしながらその夜、僕はベッドに入った。








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by somashiona | 2009-08-02 20:43 | 仕事

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