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自分のブログを考え直す



昨日、 henry66のブログ「青い蝉」に初めてお邪魔し、とても衝撃を受けた。


僕がブログをはじめたそもそもの理由は子供たちの記録を残したい、僕がどういう人間だったのか子供たちがいつの日か分かるものを残したい、という思いからだった。
ブログのタイトルも最初は『ソーマとシオナ』の予定だった。
もちろん、日の目を見ずに埋もれている多くの写真を公開したい、という思いも強くあったが。
僕がどういう人間だったかを残したい、という点において、僕がブログをはじめた当初のテキストはかなり尖っていたような気がする。
ブログはとても個人的なメディアだ。
ブログを続けることは楽しいけれど、楽じゃない時もある。
貴重な時間を割いて無償で情報を発信し続けることに、疑問を感じる時すらある。
訪れてくれる人が増えれば増えるほど、本来必要のないある種のプレッシャーやサービス精神が芽生える。
そうすると他人を傷つける行為でない限り、せめてブログぐらいは自分の正直な意見や気持ちを残したいという基本的態度が少しずつ煩悩や我という黒い影によって曲げられる。


世の中、綺麗なもの、楽しいこと、おしゃれなこと、美味しいもの、そういった情報で溢れかえっている。
厳しい現実世界を生きる為にはそういうものに接していないと、人々はやってられないのだろう。
特に時間はないが少々のお金ならある、という人にとって、そういった楽しみは簡単に自分をストレスから解放する最善の方法なのかもしれない。
オーストラリアに移住してからの僕はそういった類いの楽しみをまったく楽しめなくなってしまった。
一番の原因は多分生活レベルの低さにあると思う。
時間もなれけば、お金もない僕にとって、そういった楽しみに触れる機会があると心の底で罪悪感さえ感じてしまう。
この罪悪感は豊かな生活を送っている人には理解出来ないだろう。
しかし、強がりをいう訳ではないが、そういった楽しみを味わえない理由のひとつに、僕の写真に対する態度がある。



僕にとって写真にのめり込む大きな理由のひとつは「本物」をじかに味わえることだ。
この「本物」はほとんどの場合、地味で静か、そして98%の哀しみと2%の喜びだ。
本物の人々の生活を見るたび、本物の人生にはハリウッド映画のような楽しく、華やかな出来事などほとんどない、というのがよくわかる。
人々は多くの夢を捨て、ひたすら現実に耐えて生きている。
心の中はいつも不平不満が渦巻いているが、人にあう時は最大限の賛辞を絞り出し、自分の生活に関しても出来うる限りポジティブに語ってみせる。
そして、彼らはいつだって、わずかな喜びや消えかけた愛にしがみついている。
人々に会い、写真を撮っているとき、その絶望やわずかな喜びがいつも僕の心を圧倒する。
僕はその本物をいったん自分のフィルターに通し、彼らの本物の姿ではなく、あくまでも僕が理解した範囲に過ぎない彼らの姿を精一杯写真に収めようと汗を流し、時には涙を流す。
昔、あれほど好きだった映画、最近は何を観ても感動出来ない。
僕は理由を知っている。
美しい女優さんの名演技を見ているより、隣に住むおばさんが疲れきった表情で煙草をふかしている姿の方が僕の心をつかむからだ。



自分の子供の写真をブログで公開すべきでない、と人から言われることがある。
その意味も親切で言ってくれている気持ちもよくわかる。
でも、僕がいつも感動を貰うのは、誰かの作ったドキュメンタリーや写真展、そしてブログなどで見せてくれた彼らのまっすぐなメッセージと作品からだ。
これらの感動によって、僕は今でも少しずつ成長出来るのだと信じている。
他の人から素晴らしいものを見せてもらっているのに、自分は何も正直に見せないのでは不公平ではないか?
正直者は馬鹿を見る?
何が善で何が悪か分からないこの世界、僕が唯一間違いなく伝えられるのは、僕の心の中だ。
もし、僕がこれに嘘をつき始めたら、僕は一体写真で何が表現出来るのだろう?
もし、彼らの撮った写真の顔にぼかしが入っていたら、彼らのメッセージは半減するし、間違いなく僕の心に響かない。
自分を明かさず他人のブログに平気で批判を書き込む行為がネットの世界では蔓延している。
これはネットという性質からでる問題だから仕方がないと人は言うが、ものの性質を語る前に道徳を考えられるのが人間ではないか?
フォトグラファーの子供に生まれてしまったソーマとシオナには、自分たちの姿がブログに出ることは観念しなさい、と言ってある。
僕について言えば、せっかく自分や子供たちの為にブログを書き、写真を公開しているのだから正直な気持ちを腹を決めて出していきたいと思っている。
それが惨めな姿でも構わない。
そうすることによって、ひょっとすると誰かの心に何かが残るかもしれないし。
henry66さん、これからもブログ続けてくださいね。






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写真は札幌に住んでいた時代に撮った静物写真。(十何年前)
仕事で収めた写真のひとつ。もちろんフィルム撮り。
先週、僕は珍しく物撮りの仕事に明け暮れた。
思えば、この静物写真が仕事で撮った初めての物撮りで、まったく訳が分からずトレーシングペーパーのテントを作って試行錯誤した記憶がある。
今日のテキストと関係がありますかって?
「初心忘れべからず」ってことで、、、はい。






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by somashiona | 2008-06-26 15:06 | 仕事

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